漫画人生

raytrektab DG-D08IWPは商業漫画に使えるか?正直にレビューしてみた

投稿日:2017年8月16日 更新日:

ワコムの技術を搭載したペン付き8インチタブレット、raytrektab DG-D08IWPをお借りできたのでレビューしたいと思います。

私は(売れてないけど)漫画の仕事をしているので、持ち運びできて絵を描けるタブレットはとても気になる存在です。しかも4万円台で購入可能。

漫画を描くのに必要なソフト、クリップスタジオペイント(クリスタ)はちゃんと使えるのでしょうか。

使ってみた感想や、視差などもチェックしてみました。

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開封の儀

届いたところ。

箱が小さくて軽いので、本当に入っているのか心配になりました。

中身です。

・raytrektab

・ACアダプター

・microUSB(オス)-USB(オス)変換ケーブル

・microHDMI(オス)-HDMI(メス)変換ケーブル

・筆圧感知機能付きペン(標準芯付き)

・説明書

・「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」のシリアルナンバー

・替え芯(フェルト芯とエラストマー芯)

 

USBケーブルは充電、HDMIケーブルは外付けモニターを付けるのに使うようです。

「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」が無料で付いてきます。

クリスタにはこの「DEBUT」と、「PRO」、「EX」があり、DEBUTはエントリーモデルなので使える機能はかなり限られます。

一度クリスタを試してみたいという人は使ってみてもいいですが、公式サイトではPROとEXの体験版(30日間)もあるのでそちらの方が良いかなと私は思います。

創作支援サイトCLIP 体験版ダウンロードページ

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外観

8インチということで、コンパクトで軽い。

iPadとか、こういうWindowsタブレットとか、とにかくタブレットというものを今まで一度も使ったことがないので比較対象がないのですが印象は「大きなスマホ」という感じ。

画面下にあるWindowsのマークはホームボタンです。

上部。

左からイヤホンジャック、MicroUSB、MicroHDMI、スピーカーとなっています。

MicroUSBは充電で使うので、マウスやキーボードを使いたい場合はBluetooth接続のものを使うようになるでしょう。

タブレット右側。

MicroSDカードロット、音量の調整ボタン、電源ボタンがあります。

液晶は斜めから見ても綺麗に見えます。

 

タブレット左側と下部には特に何もありません。

スペック

モデル名 raytrektab DG-D08IWP
CPU インテル Atom x5-Z8350 プロセッサ(クアッドコア, 定格 1.44GHz, キャッシュ2MB)
デジタイザ Wacom feel IT technologies デジタイザ4096階調, スキャンレート180Hz
メモリ 4GB DDR3L
ディスプレイアダプター インテル HDグラフィックス400 (CPU内蔵)
ディスプレイ 8インチ液晶 (※1) (1280×800ドット表示/ マルチタッチ対応)
ストレージ 64GB eMMC (※2)
Bluetooth Bluetooth 4.0
無線LAN IEEE802.11 ac/a/b/g/n
センサー 加速度センサー、GPS
I/O microUSB×1(給電兼用)
映像出力 microHDMI ×1
サウンド ヘッドフォン出力×1 (ステレオミニプラグ), スピーカー内蔵, マイク内蔵
カードスロット microSDカードスロット(SDXC)
ウェブカメラ 約 200万画素 WEBカメラ フロント ×1,リア ×1
サイズ 約 214(幅)×128(奥行き)×10.1(高さ)mm
重量 本体 約400g, ペン 約5g
バッテリー リチウムイオンバッテリー(約4時間 JEITA2.0)
保証 1年間 持込修理保証
付属品 クイックガイド / ACアダプター / microUSB(オス)-USB(オス)変換ケーブル
microHDMI(オス)-HDMI(メス)変換ケーブル / 筆圧感知機能付きペン(標準芯付き)/
替芯(フェルト製・エラストマー製 各1本) / 芯抜き

出典:raytrektab DG-D08IWP

バッテリーはこの表記の通り、4時間だと思います(絵を描くのに使用時も)。

正直ちょっと短いなという印象です。外に持ち歩きたい場合はモバイルバッテリーがあった方が良さそうですね。

ディスプレイが1280×800ドットというのも最近では物足りない印象ですが、見た感じとても綺麗だと思います。

起動時間

スリープ時はスマホのようにパッと起動できるのですが、2時間ほど放置すると電源が切れる仕様になっています(設定で時間は変更できます)

その場合は電源をまた入れなければいけないので15秒ほどかかります。

スマホは電源を切るということがないので、最初は戸惑いました。

タブレットを使ったことがないのでどうしてもスマホの感覚になってしまいます(汗)

CLIP STUDIO PAINTをダウンロード

私が漫画を描くのに必須なクリスタをダウンロード。

クリスタEXのシリアルナンバーを持っているのですが、慣れないソフトウェアキーボードに苦戦してナンバーの入力に失敗しすぎたので、とりあえず体験版で起動してみることに。

時間がかかるかと思いましたが、数分でダウンロードできました。

クリスタを入れた後で空き領域が37.5GB。

ただ、メインのパソコンからクリスタの素材を全部移行すると10GBぐらい必要になるので、実質の空きは27GBぐらいになる計算です。

私の場合、32ページ分の漫画データはせいぜい2GBぐらいなので、27GBあれば作業するには十分です。

データを溜めこんでいくには少なすぎる容量なので、MicroSDカードや外付けHDDなどのデータ置き場が必要になりますね。

データ移行

データは普段使っているポータブルHDDから移行すれば良いと思って、MicroUSB(オス)ーUSB(メス)の変換ケーブルを買ったんですが認識せず。

調べたところ変換ケーブルだけだとタブレットに外付けHDDなどを認識させるのには電力不足なようです。

Windowsタブレット快適化計画!その1 外付けHDDを使ってストレージ拡張しよう!

こういうセルフパワーのUSBハブを使わないといけないとのこと。

ただ、もう変換ケーブルを買ってしまったし家に転がっていた古いUSBメモリは認識してくれたので、それで必要なデータだけ移行することにしました。

ネームを描いてみる

とりあえず以前ボツしたネームのデータを開いてみる。

そこへいろいろ描き足してみる。

同時に2ページ開いて同時進行で作業してみたりもしましたが、普通にサクサク動きます。

正直、CPUがATOMというだけで不安でしたが、ネームには全然問題ありませんでした。

タッチパネルなので右手で絵を拡大や縮小(スマホと同じように)しながら、左手で描くということができて便利です。あ、私は左利きです。

ペンに反応している時は手には反応しないので、誤作動は基本的に起きません。

でもたまにペンより手の方が早く触れてしまい、画面が変わってしまうことはあります。

が、しょっちゅうではないので便利さの方が勝ちます。

画面外にあるWindowsのホームボタンは意図せず反応することが多いので、利き手と反対側に持ってくるようにしましょう。

 

また、漫画を描くのであればBluetoothキーボードはあった方がいいと思います。

タブレットだけで完結しようとするとセリフも内蔵のソフトウェアキーボードで打つことになります。

こういうタイプもありますが

私はスマホと同じ、このタイプが一番打ちやすいと思いました。

ただこれでも本物のキーボードと比べるとやっぱり入力に時間がかかります。

それに、Ctrl+tなどのショートカットも使えないのでやはりキーボードはあった方が良いと思いました。

描き心地の感想

ペンの芯には3種類あり、標準芯に加えてフェルト芯(グレー)とエラストマー芯(白)が付属しています。

丸いのはペンから芯を引っこ抜くのに使います。

標準芯は滑らかな描き味。フェルト芯は公式サイトによるとマーカーのような描き心地、エラストマーは粘り気がある。

描いた感じ、標準芯はとにかくツルツルして私には描きづらいかったです。

エラストマー芯が一番摩擦が強いので描きやすいですが、私は筆圧が弱いのでそれでも少しツルツルします。

ネームや下書きでは滑ってもどうってことないのですが、ペン入れだけは滑ると線がガタついて困ります。

 

というわけで私の場合、タブレット表面にペーパーライク保護フィルム(ザラザラしたやつ)を貼るのがいいと思いました。

ペーパーライクのものは普段使っている液タブにも貼っていますが、芯の減りがものすごく早いのでペン入れ以外では標準芯、ペン入れの時だけフェルト芯を使っています。

このraytrekタブでも同じように貼るとかなり描きやすくなると思います。

上のペンが家にあるワコムの液タブ「Cintiq 13HD」のペンです。

下がraytrektabのペン。芯と反対側に付いているボタンのようなものはクリスタで消しゴムとして使えます。

明らかにraytrekのは軸が細いですね。細くて軽いので、鉛筆を持っているみたいです。

13HDのペンはグリップがゴム?ラバー?でグリップ感が良いのですが、reytrekは表面がツルツルです。

reytrekのペンは握るところにボタンがないので、自分で好きなグリップを装着する前提なのかもしれません。

筆圧感知

ちょっと線がガタついていますが・・・私にはよくあることです。筆圧強くなりたい。

 

今まで使ってきた液タブの13HDは筆圧感知が2048段階、このraytrekタブは4096段階と2倍になりました。

どちらもワコムの技術で作られているので自然な強弱もつけやすくて描きやすいです。

特に差が感じられないので筆圧感知が2倍になった実感は特にありませんでしたが、2048段階でも満足していたのでじゅうぶんです。

視差

視差はよく見た感じ、1.5ミリあるかないかぐらいに見えます。

視差ゼロというわけにはいきませんがCintiq 13HDよりも若干少ないように思いましたので、優秀な視差ではないでしょうか。

8インチという大きさ

描きやすいし、視差も少ない。

そんな中で最もネックだと思ったのが大きさでした。

13HDと比べたら、こんなに違います。

やっぱり狭いなと思ってしまいます。

パレットをなるべく収納して、この状態で描画する面が縦8cm×横14.5cmぐらい。

tabキーでパレットを全部隠すともっと広いですが、それはさすがに不便です。

ただ、片手で拡大、縮小や移動がやりやすいということもあり、描いてみると意外と描けました。

私には、8インチというのは描けるギリギリの広さかなと思います。

狭すぎて無理という人ももちろんいると思うので購入を考えている方は、大きさにはじゅうぶん注意してください。

下書き以降

3Dモデルを動かす

※実験的になぜかタブレットを縦で使っています。

クリスタの動作環境では「3Dを使う場合は独立したグラフィックボードが必要」となっています。

このraytrekタブは内蔵グラフィックということで3Dの動作環境に限っては満たしていないことになり、最も心配な点でした。

私はほとんどの背景を3Dを使って描いているので、これが使えなければ下書きができません。

なぜなら下書きの段階で背景が描けていないと編集さんのチェックに通らないのです。

 

実際は、自由に3Dモデルを動かすことができました。

これにはかなり驚きです。

ちなみに、raytrekタブのペンのグリップにはボタンが付いていないのでクリスタで右クリックができません。

タブレットの機能で「長押し=右クリック」と認識しますが、クリスタ上では使えないようです。

クリスタは基本的に右クリックがなくても使えるのですが、3Dモデルの大きさを変えるのに「右クリック+ドラッグ」が必要です。

これはどうしてもペンだけではできませんでした。3Dを使うならマウスがあった方が良いと思います。

線画にレンタリングしてみました。

4分ほどかかりました。

他にもいくつか試してみましたが、小さいもので2分、大きいと4分ぐらいといった感じ。

さすがにちょっと時間は多めにかかりますが途中でクリスタが強制終了したりはしなかったので、時間はかかるもののレンタリングも可能と思って良さそうです。

完成原稿を読み込んでみる

昔描いた完成原稿を読み込んでみました。

さすがに動作がもっさりしてきました。

特にページを開いてから30秒ぐらいは不安定で、拡大、縮小するのもタイムラグがありました。

30秒ぐらい経つと落ち着き、トーン作業などできました。

ただ、何度か3秒ぐらいブラックアウトしたり、逆に画面が真っ白になったりすることも。

強制終了されることはなかったのでデータが飛んだりはしませんでしたが、納品前の原稿だったらハラハラしたでしょう。

1コマを下書きからトーンまでざっと仕上げてみました。

パレットをいちいち収納するのが面倒で、気付くとものすごい狭い画面で描いていたりしますが、案外描けるもんです。

書き出し

完成原稿2ページを等倍でPhotoshop形式で、レイヤーは全て統合して書き出したところ4~5分かかりました。

データの重さにもよると思いますが、時間は長めです。

raytrektab DG-D08IWPは商業漫画に使える?

私の結論は、商業漫画に使えると思います。

使い方としては、優秀なサブ機になるでしょう。

メインとしていつもこれだけで描くには画面の小ささが気になり、原稿作成の後半になってくると動きの重さが心配になります。

3Dモデルも使えるものの、内蔵グラフィックは動作環境を満たさないため3Dに限ってはクリスタのサポート外です。

基本はハイスペックなメインPCと液タブでサクサク進めたいところ。

 

しかし、ネーム作成や外出先で描きたい時、メイン機にトラブルがあった時には最良のピンチヒッターになりそうです。

今までメインのデスクトップPCしかなかったので、自室の机に縛り付けられているような感覚でした。

ライターとか小説家などはノートパソコンを持ってどこでも仕事できるイメージなので、身軽でいいなぁと憧れていたりも。

漫画だと部屋の中ですら移動できませんでしたが、raytrektabがあればベッドで描いたり、実家に帰った時の空き時間に描いたり、家で集中できない時は図書館に持って行ったり。

8インチというサイズは、外でも目立たないので取り出しやすいです。

ライフスタイルを変える1台になりそうです。

raytrektab DG-D08IWP

 

おまけ:普通のWindowsタブレットとして使う

漫画用途について書いてきましたが、もちろん普通にタブレットとしても使えます。

ネットと動画視聴(YouTube)に使ってみましたが、動画がカクカクすることもなく便利です。

 

以上です。

ご参考になれば幸いです。

☆☆最後まで読んでいただきありがとうございます☆☆

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