漫画人生

デジタル漫画に必要な周辺機器を、漫画家が真剣に考察【液タブ、ソフトetc】

投稿日:2017年3月24日 更新日:

前の記事では、実際に仕事で漫画を描いている私の経験から必要なPCのスペックを考察しました。

そこで今回は漫画制作でパソコン以外に必要なものを書いていきたいと思います。

漫画ソフト、液晶タブレット(もしくはペンタブレット)といった周辺機器です。

スペックの記事でも触れていますが、今回はもっと詳しく。

パソコンスペックの記事はこちら。

漫画を描く用パソコンの必要スペックは? デジタル漫画家が考察

PCでマンガを描こうと思っても、どういうのを買ったらいいのか最初は迷うんじゃないでしょうか。 そこで、実際に何年もパソコンで漫画を描く仕事をしている私が(売れてないけど)必要スペックなどを考察しました ...

続きを見る

スポンサーリンク

漫画を描くソフト

まず必要なのはソフトですね。

これは迷わずCLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント、略してクリスタ)になるでしょう。

漫画家の多くが使っており、クリスタかコミスタが大半、たまにphotoshopの人もいるという感じ。

コミスタとはクリスタの前身で、クリスタにまだ移行していない人は今もコミスタを使ってるようです。

クリスタはコミスタからだいぶ進化しているので、今からデジタル漫画を描くならクリスタから始めるのが良いでしょう。

コミスタからクリスタへ移行して感じた違い 互換性は?

ComicStudio(コミスタ)からCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)へ遅ればせながら移行を一大決心し、一作描き終えたのでそこで感じた違いや感想など。 コミスタを使っていてクリスタへ移行 ...

続きを見る

ソフトをクリスタにするのは決定として、バージョンを「Pro」か「EX」か選ぶ必要があります。

EXが一番上位バージョンで、他にも廉価版の「Debut」がありますがこれは機能が少なすぎて仕事には使えないです。

EXにあってProにはない主な機能

私が思う、これがないと困るという機能は

複数ページを書き出し

ページを見開きにする

2D、3Dのレンタリング

です。

ストーリー漫画となると数十ページになるので、複数ページの書き出しは必須です。

とてもじゃないけど1枚1枚書き出しはやっていられません。

少ないページ数の漫画であれば無くてもいいのかもしれませんが。

 

ページを見開きにするとこんな感じ。

漫画は見開きで考えます(本は見開きなので)。

というわけで見開きの方が見やすいし、作業も2枚いっぺんにできて楽です。

複数の雑誌に4コマ漫画を毎週一本連載しているようなタイプの漫画家さんとかだと必要ないかもしれませんが。

 

こちらは3D。

レンタリングしたもの↓

こういうややこしい背景もパッと形になるので、3Dはとても便利です。

レンタリングしないと3D感が強すぎて使えないので、レンタリング機能は私には必須です。

ちなみに2D(画像)もレンタリングできますが、精度はあまり高くないので私はほとんど使いません。

 

これらの重要機能がProにはないので、EXをおすすめします。

といってもProからEXにアップグレードすることもできます。

・最初からEXを買う

・Proを買ってからアップグレード

2017年3月現在、どちらを選んでも総額は同じなので、どちらでも良いです。

クリスタは公式サイトで購入するのが最も安いです。Amazonより安い。

ここからなら無料体験版も試せるので、じっくり選ぶこともできます。

Proはこちら。

CLIP STUDIO PAINT PRO

EXはこちら。

CLIP STUDIO PAINT EX

スポンサーリンク

液晶タブレット(ペンタブレット)

次は描くのに必要な液晶タブレットです。

画面に直接描けるので、紙から移行しても違和感が少なくなります。

 

液タブの他にはペンタブレット(板タブ)というのもあります。

これは液晶がなく、PCの画面を見ながら手元で描きます。

どちらが良い?

紙に近い感覚で描けるので、私は液晶タブレット派です。

デビューするまで板タブでしたが、腕に余計な力が入り線が太くなりがちでした。

手元と画面の間に距離があるので線を思ったように引けず、やり直しが多かったです。

編集さんにも「線が太い」と言われました。

 

といっても、人によっては板タブの方が良いという場合もあります。

猫マンガで大人気の鴻池剛さんはずっと板タブで、最近液タブを買ったけれど結局板タブに戻したと何かの記事に書かれていました。

マンガが面白すぎるのでおすすめです。

 

鴻池さんの線はギャグ漫画らしく太めでダイナミックですよね。

板タブはこういうタイプの方なら使いこなせるのかなぁと思います。

少女マンガといった細かい線を求められるジャンルだと、板タブでずっと描いていくのはキツイだろうと私の経験からは思います。

おすすめの液晶タブレット

液タブにしても板タブにしても現状はWacom(ワコム)一択です。

ワコムは世界シェア8割で非常に性能が高いです。

しかも日本企業。

 

最新の液晶タブレットは「Cintiq Pro」13インチで、2017年春には16インチモデルが発売予定です。

私は古いモデルの「Cintiq 13HD」を使っているのですが問題ないので、13インチでも良いと思います。

とはいえ広い方が使いやすいので、お金に余裕があるなら16インチの発売を待つというのもアリかもしれません。

16インチは重そうですが、持ち歩くことは少ないと思うので問題ないかと思います。

13インチで既に13万円か・・・。

液タブは値段がネックなんですよね。

接続がややこしい?

気になったのは接続方法。

最新のワコムの液タブは「mini display portとUSB-A」もしくは「USB-C」で接続するので、PCにポートがない場合は変換が必要です。

レビューを見てても「なんでHDMI接続じゃないんだ!」みたいなのが多いですね。

Wacom Cintiq Pro と DisplayPort 搭載PCの接続方法(外部サイト)

Wacom Cintiq Pro と HDMI 搭載PCの接続方法(外部サイト)

 

PCにUSB-CがあるならそれでOK。

 

標準のディスプレイポートとUSBしかない場合はこの2つ

が必要です。

 

HDMIしかない場合は、上の2つに加えて

も必要です。ちょっと余分にお金がかかってしまいますね。

※ワコムの動作確認済の型番を載せています。

パソコン一体型の液タブ

液晶タブレットとPCが一体になったタブレットPC型のもあります。

別にパソコンを用意する必要がなく、持ち運び自由です。

パソコンに接続すれば、普通の液タブとしても使うことができます。

ただ、一部が壊れた時でも丸ごと修理に出さなければいけないので、使うならサブ機としておすすめします。

サブ機にしては高価ですが、PCと液タブ両方の値段と思えば普通でしょうか。

13インチと16インチがあり、13インチの方はGPUがないので3Dがどの程度動くのかは不明です。

サブ機としてはスペックじゅうぶんだと思います。

このモデルなら高性能なので安心です。高いけど。

追記:サブ機に使えるraytrekタブレットをレビューしたのでそちらもどうぞ。なんと4万円台で購入可能。

raytrektab DG-D08IWPは商業漫画に使えるか?正直にレビューしてみた

視差を旧型と比較

視差とは、液晶タブレットの表面にガラスがあることにより、ペン先と線の間に隙間ができることです。

視差が大きいほど紙の描き味と遠くなり違和感を感じます。。

これは私のと同じ、旧型のCintiq 13HD。

ちょっと隙間がありますよね。

Cintiq ProとCintiq mobile studio(PC一体型)は、この視差が大幅に改善されています。

ほとんど視差が気になりませんね。

私は旧型の視差でも慣れているのでどうってことありませんが、初めて使う人は違和感を感じるかもしれないので「安いから旧型のCintiq 13HDを買ってみよう」という選択肢をお考えの場合はお気をつけください。

また、筆圧感知も13HDは2024段階、新型は8192段階と大幅に進化しています。

13HDは旧型とはいえ、そこまで安いかと言われるとそうでもないですが・・・。

こちらであればHDMIと普通のUSBで接続できます。

保護フィルム

私が初めて液タブを使った時に感じた違和感は「視差」と「ガラスのツルツル感」でした。

視差は今の機種では改善されているので、ツルツル感はフィルムでなんとかすると断然描きやすくなります。

「ペーパーライク」のフィルムだと、紙のような描き心地を再現できます。

もちろん液晶の保護にも。

ペン先がツルツルすると、線がブレて困るので私には必須です。

・・・が、ペン先の摩耗が激しすぎるという欠点があるので普通の保護フィルムで描けるのならそれに越したことはないです。

おすすめのペンタブレット

板タブはグレードの高いものでも3~4万で買えるので、液タブと比べるとだいぶ買いやすいです。

私もデビューするまでずっと使っていました。

使い慣れるのと描くのにちょっと時間がかかりましたが、納品日に追われないデビュー前なら使えると思います。

液タブは高いしね。

 

今の上位機種はIntuos Proになります。

大きさは3種類ありますが私は真ん中のMサイズを使っていました。

筆圧感知は2048段階。

液タブの8192段階と比べると少ない感じがしますが、その液タブが出るまでは2048段階が世界のトップ技術でした。

いきなり8192が出た時はびっくりしましたよ。

接続はUSBのみでコンセントは不要、ワイヤレスも可能です。

 

私が使っていた頃の板タブは1024段階でした。

1024段階から2024段階のタブレットに変えた時は、差はそんなに感じなかったですが・・・まぁ倍違うので少しは滑らかになってるんでしょう。

 

1024段階のものは今でも出ており、上位機種より安くなっています。

予算とご相談ください。

こちらもUSBだけの接続。ワイヤレスは別売りです。

紙を貼る

液タブほどではないと思いますが、描いた時にツルツルして違和感があるので表面に紙を貼ると描きやすくなります。

液タブは紙を貼ると液晶が見えませんが(笑)板タブは全然大丈夫です。

私はコピー用紙を適当にセロテープで貼っていました。

バックアップ

紙の漫画はちゃんと保管しておけばいいですが、デジタルになるとPCが突然壊れて読み込めなくなったり消えたりする危険があります。

バックアップには、私はずっと「ポータブルHDD(ハードディスク)」を使っています。

「外付けHDD」の方が容量も多いのですが、コンセントに繋ぐ必要があります。

コンセントとなるといちいち挿し直すのは面倒になるので挿しっぱなしになりやすいですが、落雷で電化製品が故障する事態を考えると(めったにないと思いますが・・・)コンセントに挿しっぱなしは心配です。

ポータブルHDDであればUSBに繋ぐだけで使えるので、バックアップを取る時だけ繋ぐのも簡単です。

10年前は40GBで8000円ぐらいした記憶があるんですが、今は安くなりました。

ちなみに10年前に買ったポータブルHDDは今でも繋げば普通に使えます(容量がいっぱいになったので使わなくなりましたが)。丈夫なんですよね。

汚いので画像小さめ(笑)

I-O DATAのものだったので、ここのをお勧めさせていただきます。

 

これで漫画を描くためのソフト、液タブ(もしくは板タブ)、バックアップ用のHDDが揃いました。

デジタル漫画ライフ頑張ってください~。

 

☆☆最後まで読んでいただきありがとうございます☆☆

漫画家や漫画家志望者の将来に影を落とす表現規制 についても知っておいてください。

よろしくお願いします。

-漫画人生

Copyright© 表現規制を危惧する母漫画家のブログ , 2017 AllRights Reserved.